時計を買う 八ヶ岳倶楽部にて
清里でまず行きたいところは
八ヶ岳倶楽部ということで意見が一致した。
友人は軽石の植木鉢が欲しいというし、私は、時計作家・増田精一郎さんの出品を知らせるDMを受け取って、その写真の腕時計にすっかり魅せられてしまっていた。
革バンドの色合いやフレームや文字盤の手作り感が、時計そのものに物語が封じ込められているような奥行を感じさせる。
翌日、ホテルの送迎車で清里駅に行き、ピクニックバスの2日間周遊券を購入。
10:50発のピクニックバスは、清泉寮、東沢大橋、まきば公園などを経て八ヶ岳倶楽部に到着する。
八ヶ岳倶楽部の雑木林はほとんどが一本一本手植えされた樹木だというから驚く。
シラカバやカエデ…
種類がいろいろなので、一度は秋に訪れてみたい。
林の中を枕木の木道が走っている。
こちらでは季節が遅いのでアジサイも咲いている。
雨後の森はたっぷりと水分を含んでみずみずしい。
ギャラリーでしばらく時計を眺めていると、増田精一郎さんが現れた。
去年購入した腕時計を気に入って愛用している旨伝えると、「それはうれしいなあ」。
それまでは実用一点張り、お手軽な太陽光充電の腕時計をはめていたのだが。
ダイヤモンドで縁どられた時計などはどこかに置き忘れて泣きべそををかくか、そもそも服に似合わない。
ペンダントウォッチも好きなのだが、今回は細い赤色の革ベルトの時計を買い求めた。
森の中の展示空間ではmais(マイス)さんが陶芸の展示を行っていた。
カラフルで斬新な形態。
不思議とけれんみが無い。
何よりも上品であることが必須だという。
ご本人も髪を緑色に染め、前髪を眉の上で一直線に切りそろえ、それが品よく個性的だ。
プロデュースしたのは家庭画報の編集に関わっているという女性で、こちらもまた手作りのアクセサリーを身につけ、かっこいい。
八ヶ岳倶楽部では様々なクラフト作家に出会うことができる。
間口いっぱい開かれたステージで作品も静かに息づいているようだ。
腕時計の文字盤の裏に日付とイニシャルを刻んでもらった。
時計を求めても時間を買うことにはならないけれど、若い頃とは違い、過ぎ行く時が愛おしい。
屋根の上に蜜蜂の巣箱 ステージにて
maisっていい名前でしょう と。
テラスに柳生博さんの後ろ姿が
ここから吐竜の滝まで歩いていける '18.7.12
つづく