未来の妻に投資します!7話

オフィス近くのカフェ店内(昼立秋)

ランチ時で賑わう店内。4人掛けテーブル席に座る花城、小林、由香の3人。パスタを食べながら談笑している。

花城由香ちゃん最近どう?

由香楽しいですけど、それなりに大変です

小林社長の婚約者が通ってるって本当?

由香はい

花城で、どんな人?可愛い?美人?

由香どんどんお人形さんみたいに綺麗になっていく人です

口笛を吹く花城。

花城見てみて〜!性格は?どう?

グイグイ質問する花城。花城を睨む小林。

由香めっちゃ聞いてきますね。うるさいです

小林、無言で由香に親指を立て、GOODの意思表示をする。由香、首を傾げる。

花城和樹ちゃんごめんごめん。ヤダ?

拗ねた表情の小林。

林あまり俺を嫉妬させないで

由香え?え〜?

由香の驚きを隠せない視線が、花城と小林を何往復もする。花城と小林、手を握って由香に微笑んで見せる。

由香まじっすか

中川の車社内(夕秋)

運転する中川。助手席に座る真理愛。

だいぶ痩せ、ほとんど完璧な体系になっているが、服装が地味で、パッとしない。

真理愛、窓の外を眺める。紅葉の並木道が広がっている。

並木道の歩道には、手を繋いで堂と歩く、花城と小林の姿。

中川真理愛ちゃん、明日のトレーニング後はネイルと美容室だからね

真理愛雄さん、今の私は好き?

中川もちろん。ほら、手も握ってるじゃん

真理愛の手を引き寄せるように握る中川。

真理愛握れるようになったのね。じゃあ、キスできる?

中川それは、まだ先の話でしょ

真理愛今の私を抱ける?

中川まだ投資中でしょ。あともう少しだね

真理愛そうね

俯く真理愛。真理愛の様子に気持ちが揺れる中川、思わず真理愛の唇にそっと触れる。

中川でも、この唇は誰にも渡したくない

中川の顔を見れない真理愛。そっと顔の向きを変え、窓の外を眺める。

花屋店内(朝)

オープン前に花の手入れをしている真理愛。入店してくる大石。

大石おはよう、真理愛さん

無表情の真理愛。

真理愛まだ準備中ですので外でお待ち下さい

大石に背を向けるように、別の花の手入れを始める。後ろから真理愛を優しく包み込むように抱きしめる大石。

真理愛その手どかして

大石どうして?

真理愛邪魔

大石手が?俺が?

溜息をついてあからさまに嫌悪感を出す真理愛。

大石やっとわかった。あなたの謎

真理愛何?

大石明日行くんでしょ?お墓参り

凍り付く真理愛。

真理愛どうしてそれを?

大石言ったでしょ?俺、謎解き得意だから

真理愛どうやって?

大石俺のことまだ嫌い?

真理愛答えて

大石それって、俺に気持ちが揺れてるから?

真理愛お願い。誰にも言わないで

大石、真理愛を回転し、自分に向け、いきなりキスをする。

大石どう?キスって気持ちいでしょ?

真理愛最低

微笑む大石。

真理愛中川さ

大石(食い気味に)社長には話さないから安心して

真理愛、更に自分から大石に深いキスをする。

都内田園墓地(夕)

花束を持ち、両側にずらっ〜と並ぶ墓石の間の道を一人で歩いている真理愛。花束には季節外れのチューリップが20本。

つづく